2011/12/19

センター試験まで26日:作文「楽観主義」

震災以降、Twitterやらインターネットの世界ではなんとなく嫌な雰囲気がある。他でもない原発関連の話題が増えているからだ。気分が悪くなるのは、大部分が東電・政府・行政批判だったり、事態が危機的だと、もう終わりだという内容ばかりだからであろう。念のために言っておくが、自分は別に東電などを擁護する気などないし、その必要もない。なぜならば、大学入学まで岩手にいて東電など全く関係がないからである。

時として、事態を慎重に見極めて考えられる最大限の危険性を考慮する必要があることもある。が、しかし「収束」という言葉には異論があるにしろ事態が少しずつ安定化してきている今、東電は情報を隠している、とか事態は実はもっと深刻だと悲観的な考え方をしてばかりいてなんの意味があるのであろうか。科学的な知識をみにつけた上で行政などから示される測定値を見て、冷静に判断し、時には楽観的な考え方をする必要もあると思う。今後、何十年と放射能と付き合っていかなければならないことはもう自明なのだから、諦めるほかない。付き合っていくことを認めた上で、その影響を最小限にする努力がいま求められているのだろう。

悲観・楽観というと、どこぞで読んだイギリスの元首相チャーチル語録にも色々と書いてある。
A pessimist sees the difficulty in every opportunity; an optimist sees the opportunity in every difficulty.
(筆者訳)悲観主義者はあらゆることに困難を見つけ、楽観主義者はあらゆる困難にチャンスを見出す。

楽観的になりすぎる必要はないが、何をするにも「これ無理」などとネガティブキャンペーンを繰り広げているより、現実を認めた上で何かしらのチャンスを見出す方がよっぽど建設的ではないか。この記事で言いたいのは、東電・政府が事実を隠していようがいまいが、そんなことはどうでもいいことであって(公開したところで放射性物質が一気に無くなるわけではない)、いま出来ることを粛々とやることが一番重要ではないか、ということ。除染も意味ないと批判されているようだが、ではどうしたらば効果的なのか、それとも少しでもやったほうがいいのかなど、そっちの議論のほうがよっぽど意味の有ることではないかと思う。行政に丸投げしておいて行政のやることに文句をつけ、かといって自分では何もやらない、というのは筋が通らないであろう。
I am an optimist. It does not seem too much use being anything else.
(筆者訳)私は楽観主義である。それ以外の主義はあまり役に立たなそうである。

もちろん、放射線という見えない危険に対して注意をはらう必要がある以上、楽観視しすぎるのも問題だろう。基準値が高すぎるのではないか、というのも理解できる(が、実際のところは大幅に下回っているのでどっちにしろ問題ない、と楽観主義的には考えられるわけだが、悲観的に見ればゼロじゃないので不安に思う)。
Criticism may not be agreeable, but it is necessary. It fulfils the same function as pain in the human body. It calls attention to an unhealthy state of things.
(筆者訳)批判というものは気分の良いものではないが、必要だ。人間の体での痛みと同じ働きをする。痛みというのは物事の不健全な状態に注意を呼ぶものだ。

というように、批判も確かに必要だろうが、Twitterやインターネットで見られるような批判はあまりに目に余る。東電や政府への批判の大部分は憶測や先入観によるものだからだ。
I am always ready to learn although I do not always like being taught.
(筆者訳)いつも教わるのが好きだというわけではないが、いつでも学ぶ用意はできている。

というひとは多いことかもしれないが、せめて必要最低限の科学的な知識をみにつけてそれを盾に今後も放射能と隣り合わせの生活をする必要があろうと思う。科学のことを何も知らずにただ怖がるのでは(適切に)楽観的には考えられない。
*適切にというのは必要以上に楽観視しないということ

さて、センター試験まで26日。受験生が読んでいるとは思わないが、
Success consists of going from failure to failure without loss of enthusiasm.
(筆者訳)成功は意欲を失うことなく繰り返される失敗でできている。




I am an optimist. It does not seem too much use being anything else.
Winston Churchill : British Politician 1874-1965 

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