2012/02/16

2012年慶応(理工)数学1(1)

2012年度の私立の入試が行われている。慶應の理工・数学1(1)を少し考察してみたい。線形代数でやるとピンとくるが、この式は2次曲線の式である。
展開すると、
これが∀x,yについて0以上というのだが、この際問題を解くのではないからどうでもいい。

※一応試験場的解答:
えーっと、どうしよう。2axyが必ず正ならいいのか?なわけないか。yで平方完成してみようか。うーん。微妙に違う気がする。
(受験期を思い出そうと数分・・思い出せず苦肉の策)
x軸やy軸上はOK。なのでy=kxってことにしておいて∀kに帰着しても良いだろうか*1。すると、x^2(2+2ak+k^2)≧0。ってことはkの2次方程式のD=<0なら良いと。ってことで-sqrt(2)<=a<=sqrt(2)ですか。我ながら突飛な発想な気もするがどうだろう。

 *1レーダーみたいにぐるーっと一周満たすかを調べる。何が厄介って、一気にx,yの面倒を見ようとするから大変。yにx依存性をつけて、その依存性でx,y全部をカバーできれば何でもいい。k→∞やk=0などはx軸、y軸なので別途調べておけば万全。
・・と思ったのだが、極座標でもいいな。まぁ答えが出れば何でも良かろう。判別式のほうが楽だし。

さて、本題。いろいろ考察してみよう。まずは線形代数的考察。この2次正方行列をとりあえず対角化してみよう。

・・とも思ったが、固有値を求めると解の公式のままぐじゃぐじゃなのでmaximaに任せよう。(手計算も原理をしる上では重要だろうが、なにもこんなめんどくさいのでやらなくてもいいだろう。)

対角化すると、こうなる。
で、この対角化で変数x,yは


となろう。このような座標系で(あっ下のXはYです)、例の式は
aX^2+bY^2=c
のような楕円になる。(c>0)
図は、座標軸と例の楕円。a=0.5として長軸を4にしてある。
ちなみにa=sqrt(2)では平行2直線

次は解析的考察。
z=2x^2+2axy+y^2
と考えてみよう。
とりあえず、x,yで偏微分しよう
∂z/∂x=4x+2ay
∂z/∂y=2ax+2y
それぞれ=0と置けば、
y=-ax, 2x=-ay
それぞれx,yについて整理すれば、
さっき求めた端点a=±sqrt(2)以外ではx=y=0で傾き0になる模様。
ついでにヘッセ行列式も考えておく。
ヘッセ行列式は、4×2-4a^2=4(2-a^2)
ヘッセ行列式が0のときはよくわからんが、とりあえず、+なら極値、ーなら鞍点となるのはわかっているから、その条件求めれば
-sqrt(2)~sqrt(2)で極値あり、その他で鞍点。

a=0

a=1
a=sqrt(2)

a=2
こんなに長くするつもりはなかったのだが・・。もちろん受験生は極座標なり何なりで解ければそれでいい。
具体的には極座標だと、
r^2(2cos^2 + 2a cos sin + sin^2)
=r^2(1+cos^2t+a sin2t)
→1+1/2(1+cos2t)+a sin2t>=0
3+cos2t+2a sin2t >=0
...で、合成してminが0以上ならいいと。なんか、さっきのkのヤツのほうが早くていいかも。

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by Bironda ver.1.1 (16 Feb 2012)

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