1. 原子
原子の構造については1900年代に様々なモデルが提唱されたが、その中には正に帯電した陽子と中性子からなる原子核の周りを電子が取り巻くというモデルがあった(ラザフォード[1]が提唱)。これをさらに改善したのはボーアであった。1.1 水素原子の線スペクトル
水素を封入した放電管からの光をスペクトルに分けて分析すると、太陽光のような連続的なスペクトルではなく、特有な波長のみが線スペクトルとなって検出された。この波長はある定数Rを用いてこの規則を説明したのもボーアであった。
1.2 ボーア[5]の原子モデル
古典的には原子核の周りを半径rで電子は円軌道を描くと考えられる。この場合、力のつり合いの式は以下のようになるしかしながら電子のエネルギーを考えると、どんどん電子が内側へ近づいてしまいうまく観測される現象の説明ができない。
1.2.1 波動性と粒子性
光が干渉をするように、光は波である。一方でアインシュタイン[3]が示したように光があるエネルギーhνをもった粒子であると考えることもできる。同様に粒子であると思われている電子も、干渉縞を作ることから、波としての性質も併せ持つ。これについてド・ブロイ[4]は速度vで動く質量mの物体は以下に示すような波長を持つ物質波であるという考え方を示した。
1.2.2 ボーアの量子条件
電子の粒子性を上のように考えると、電子が原子核の周りを定在波をなして回るには1.2.3 ボーア半径
上の式を用いると、であるから
となる。ここでnは自然数である。
特にn=1の場合の半径をボーア半径と呼び、a0と書く
1.2.4 電子のエネルギー
ここで電子のエネルギーについて計算してみる。であるので、古典的な考え方をした場合のvを用いると
となる。これに先ほど導いた量子化された半径を代入すれば
となる。n=1の場合が最もエネルギーが低い状態であり、これを基底状態と呼ぶ。
1.3 線スペクトルの説明
これがはじめに述べた線スペクトルをよく説明していることを示す。n番目の量子状態からm番目の量子状態へ遷移する場合のエネルギーはn>mとすれば
であり、これが光子のエネルギーと一致すると考えられるので
つまり
とかける。
実際に
電子の質量m=9.109×10^-31
電気素量 e=-1.602×10^-19
光速c=2.998×10^8
真空の誘電率ε=8.854×10^-12
プランク定数h=6.626×10^-34
を代入してリュードベリ定数Rを計算してみると、
R=1.0968..×10^7
となる[1]ラザフォード: Ernest Rutherford (1871-1937)
[2]リュードベリ: Johannes Rydberg (1854-1919)
[3]アインシュタイン: Albert Einstein (1879-1955)
[4]ド・ブロイ: de Broglie (1892-1987)
[5]ボーア: Niels Bohr (1885-1962)
参考文献
・量子化学(化学同人)
・Wikipedia
Google chartを使った数式を生成するのには
http://tmlife-storage.googlecode.com/svn/trunk/google-api/chart/latex.html
を利用させてもらった。電磁気はlatexitでやったんだがファイルがとんでもない数になってしまうのでやめた。そもそもこれ書いているのはWindowsでtex入ってないし。
わがままを言うと、latexitみたいにちゃんと文字サイズがそろわないのと(\fracを使うとき)、Googleの問題だろうけど複数行の数式ができないこと、最後にこっちの問題だが画像に枠がついてしまうのが困る。
ここまで高機能じゃなくていいのなら、エスケープするだけだろうから自分で作ればいいんだが。そうすればcssの指定も簡単。あとリンクを削れるし。まぁ後で考えよう
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