8 [1]続・LCAO近似
8.1 S=重なり積分
前回得たSはψ1*ψ2を積分したものだった。これをそれぞれの位置についてグラフにすると次のようになる。
これを見て分かるように核間距離Rが大きくなるとSは0に近くなり、Rが小さいときは規格化されているので1に近くなる。(ただし上の図は拡大しているので若干異なる)
8.2 水素分子イオン
水素分子イオンの軌道を書いてみよう。ここではHuckel近似を適用してS=0とおく。
*Huckel近似は要するに違う原子間のS=0とすること。同じ原子は1
つまり
ψ=1/√2 (ψ1+ψ2)
とする。
もちろん、もう一つの方は節面ができている。これはその面での確率がゼロということを意味する。
8.3 等核二原子分子
まずは図を用いて感覚的に考えてみる。上に述べたように、2つの軌道から節面が中心にない(和の)軌道と、中心にある(差の)軌道の2つが形成される。それぞれエネルギーは前者が前より小さく、後者が前より大きくなる。
このことをよく以下のような図で表す。上の軌道を反結合性軌道、下を結合性軌道という
このことをよく以下のような図で表す。上の軌道を反結合性軌道、下を結合性軌道という
- 分子を構成する2個の原子のそれぞれ1つの軌道から2個の分子軌道ができる
- 原子軌道のエネルギーが近いもの同士が相互作用をして分子軌道を形成する
- 対称性が同じ軌道同士が相互作用をする
- 例:2pzと2pxはダメだが2pzと2pz同士ならば良い
- 原子軌道の空間的重なりが大きければより結合性軌道は安定に、判決合成軌道は不安定になる
また、分子軌道の性質を分類するために以下の記号を利用する
注
[1]電磁気のノートより長くなりそうだというのはいったいどういうことだ。
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