電子回路ではフィルター回路なるものが数種類あって、ある特定の周波数帯の交流成分だけを通すといったことができる。となると、一般の交流信号を三角関数の級数で表すことが出来れば便利そうである。
ということで、係数a,bを使って無限級数を以下のように定義してみる(展開できる場合だけを扱うとする)
で、問題はa,bをいかにして求めるかであるが、次の問題を考えればいい。
つまり、
(1)
(2)
(3)
まず
(1),(2)だが、n=mの場合は
cos^2(nx), sin^2(nx)の積分になる。これは
[1±cos(2nx)]/2
の積分に帰着されることを考えれば、
いずれも答えはπである
一方、cos(nx)cos(mx), sin(nx)sin(mx) (n!=m)
の場合は積和の公式を使えば、cosの和になる。(cosの加法定理2本を足し引きする)
ここでxの係数はn,mの和・差なので整数であることに注意すれば、積分すれば0になる。
これで(1),(2)は完了。
(3)については、sinの加法定理2本をつかって積和公式を導けば、細かいことを気にしなければ、sinの和で書き換えられる。sinの積分を-π→πにわたって行えばもちろん0となる。したがって、(3)も0となる。(そもそも奇関数×偶関数なので当たり前)
この事実を使えば、
の両辺にたとえば、cos(nx)をかけて-π→πへと積分すればaが求まる。
つまり、
bはsinをかければいい。
図はf(x)=x (-pi→pi)で第10項まで展開したもの。
これを第1000項までやってみると、
わりと良い近似であることが分かると思う。(core i7 1.8GHzで30秒くらいかかった気がする)
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