2012/02/07

電磁気学ノート(5)

 5.1 誘電率
さて前回までで(3分前)、コンデンサーの基本的な公式を導いたが、実験的にコンデンサーの極板間に絶縁体を挿入した時、容量が増加することがわかっている。このことに対する説明を試みる。
ちなみに基本的な公式とは
Q=CV
C=εS/d
のことであった。Q=const.で何かを入れたらばCが増えた、つまりVは減った。EはVのgradであったので、Eも減った。つまり、Eが減ることを示せばよさそうである。

ちなみに、Cの増加倍率をκとすれば、これを比誘電率と呼ぶ。

参考図書に則ってここは、細かいことは気にしないで電場Eに比例して双極モーメントが誘導される、ということを仮定して議論をすすめる。この仮定によれば、挿入した板の表面に生じる分極電荷の密度σ1は以下のように計算できる

SNδe=n
S:表面積 N:単位体積あたり電子数 δ:電子が動いた量 e:電気素量
一方、コンデンサーの極板にも電荷密度σ2が存在する。
ガウスの法則から、
εES=qなので
E=σ/ε
である。

5.2 分極ベクトル
単位体積あたりの電荷の数をNとすれば、その単位体積あたりの双極モーメントは
P=Nqδ
 とかける。

5.3 分極率
上記までの議論で、以下のようにかける
いま、P∝Eと考えているので、定数χをもちいて以下のようにかける。χを分極率という。
これによって
 とかける。
V=Edであるから、極板のσ2を単にσと書くことにすれば
 となり、κとχの関係は
κ=1+χ
なお、このあとベクトルDを導入することもあるようだが、参考書や講義にあわせて導入しないこととする。

さて、これで静電場に関するノートは終了。続いて静磁場、誘導、などと続いてMaxwell方程式の完成形を目指す。

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